オクト絵画教室の皆様へ 若林薫の思いを手紙にしてお届けいたします       2008年4 1

春の候 皆様お変わりありませんか。

 春霞に浮かぶ山々、川岸に並んで植えられた木々も満開の桜を咲かせる春、ぽかぽか陽気で爽やかな風に

誘われて海や山や公園に出かけたくなる春。ちょっとスケッチにあこがれる春ですね。

ここで振り返って中学の授業を思い出してみてください。

画板と画用紙と水彩絵具とバケツを持って校庭や教室の窓から外の風景を描きませんでしたか? 

いわゆるスケッチ=水彩の風景画ではなかったでしょうか。

スケッチそのものの語源は、何らかの方法で時間をかけずに印象を描きとめる事です。

(小品写生・略画速写)
何より最もシンプルな用具で始められることも大きな魅力です。

特別な画材が無くてもメモ帳と鉛筆1本があれば、それだけで楽しむことができるのがスケッチなのです。

例えば風景を大まかな線で描き、色彩を淡く付けた描写を淡彩スケッチと呼ばれることが多いです。

また一般的に、水彩画は時間をかけて細かい部分までも描き、完成度を高めていくことを指しますので、

この点がスケッチと異なります。水彩絵の具を使っても表現の違いからスケッチと水彩画は、区別され

ます。
「短時間で細かい部分を省き、大きな表情を描く」旅先で気軽に描けるのがスケッチです。

日頃の慌ただしさを忘れ、描く喜びがスケッチにあります。難しい絵の理屈はいりません。

新鮮な感動、自分の思いをきままに描いてみることです。

 
平山郁夫(八甲田)

とはいえ、日本画家も、油彩画家も、彫刻家も、デザイナーも、建築家も、静物スケッチや

風景スケッチや人物スケッチにアイディアスケッチは作品作りの過程では重要なものです。

日本画家の平山郁夫さんはこんな事を言っています。「見た瞬間にぱっと発想が浮かび、どう描いて

いくかを決めておかなければ無理だ。
(またスケッチには)速写性(スピード)に加えて、

省略と強調(デフォルメ)もあわせて学ぶ必要
がある。(しかしここでも)自分の意見がなければ、

どこを省略し強調するか皆目検討がつかない。省略と強調が
有機的につながってこそ、その人独自の

世界が生まれてくるのである。
(略)スケッチとは、表現力を高める基礎訓練であると同時に、

画家としての自分の世界を持つための補給源の役割もある」 要するに細かいことを気にせずに印象を

描くということですね。それがスケッチのスケッチたるゆえんです。うまい下手は関係ないのです。

そのためには、省略と強調が重要とのことです。



オクトでは、陽気が良くなった3月より月に1回、親睦スケッチ会を予定しています。

教室では出来ない野外での風景スケッチに みんなでお弁当を持って出かけてみませんか。

季節の風を感じながら 自然の移り変わりを肌で感じ 大きな空間でお弁当広げて みんなでの会話も

また たのしいですよ。                        薫


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